続♡プリンセス☆ロード



「…ねえ、私をあなたたちの世界に連れてってよ」

「は?お前、なに言ってるんだ。話を聞いてたのか?」

「あのね、バカにしないで。ちゃんと聞いてたわよ!」



私の申し出に怪訝そうな顔をするレン。
最初の優しそうな態度はどこに消えたわけ?
なんとなく、この人の知っている私とは切り離されたような気がして、少しだけ落ち込む。

落ち込む必要なんてないのにさ。


だって少しだけ、この人にそんなにも愛される私の知らない“私”が羨ましくなっちゃったんだもん。




「もしかしたら思い出すかもしれないでしょ。私だって、なんだかこのまま思い出さないのも気持ち悪いし」

「だからって、危険なんだよ!人魔はまた姿を消したけど、いつまた襲ってくるかわからないし。何度も、紗南ちゃんは死にかけてるんだよ!」





ずっと黙って見守っていたミナトがそう叫んだ。




「なによ、最初連れ戻すつもりで来たんでしょ?今更なんなの」

「そうだけど…」

「それにさ、その人魔って敵も、追い返した私がまた戻ってきたら動揺するんじゃない?そこをつけば、捕まえるなりなんなりできるかもよ」

「そんな、囮みたいなこと…」

「私の事、利用すればいいじゃん。囮にでもなんでもしたらいいよ」




危険な場所に行くって私が決めたんだから。
それくらいの覚悟はできてる。

それに、私だって文句の一つくらい言ってやりたいのよ。




勝手に私の思い出を消すなって。






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