続♡プリンセス☆ロード


ミナトが出て行った後、私は部屋の中を見て回る。
なにか、私がここにいたっていう証を見つけたくて。


信じてないわけじゃないけど、やっぱり確証がほしい。




そして見つけたのは、クローゼットの奥にしまわれていた箱。
見覚えない箱だけど、中が気になって開いて見る。




「あ…」



そこには、私の学校の制服とか、鞄、財布に手帳…いろいろなものが入っていた。
写真には、浩太や美由紀、そしてお父さんお母さんが写っている。




「私、ここで暮らしてた…」



本当だった。
本当に、私には忘れている記憶があるんだ。



そう思ったら、なんだか泣けてきた。



あの人たちの、言葉は全部本当で、全部私を思った言葉だった。
私、愛されてたのかな、この世界で。



悔しいな。
覚えてないなんて。



なんで忘れちゃったんだろう…。




どうして、忘れることを、選んでしまったんだろう…。






「バカ…」




私はギュッとその箱を抱きしめた。







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