素直に言えない (短編)
自分の気持ち 誠吾sid
「こんな女か男か分からん奴好きになるわけないやろが!」と言った瞬間教室が静まり返り、麻由美が教室を飛び出していった

「おい…誠吾…」

眞琴がドスの利いた声で呟く

「な、なに?」

「麻由美泣かしたら…殴るぞ…本気で。」

「え…」

まじかよ…

――キーンコーンカーンコーン

「誠吾、このままお前はここ居んのか?」

「…。」

「麻由美が好きなんやったら追いかけるぐらい出来ひんのか…!」

――がらがら

その時

「麻由美…!」

もえが呟く

「ギリギリセーフ?」

ぎこちない笑顔を作る

「なにしてんの?チャイム鳴ったで?はよ席座らな。」

そう言って麻由美は席に着いた

「おい誠吾…このまま自分の気持ち伝えへんのは糞がする事やぞ…」

眞琴が俺の耳許で呟いた

「眞琴、はよ座りーや。」

「おう。わかってるって」

俺も黙って席に着いた

「なぁ…麻由美。」

「…。」

無視か…まぁ無理もないか…いまさっき嫌いって言われた相手と楽しくお喋りってないもんな…

――ガラガラッ

教室のドアが開いてすうがくの先生が入ってきた

先生が授業をしている間俺は上の空だった

その内に

――キーンコーンカーンコーン

2時間目終わりのチャイムが鳴って

麻由美が挨拶をする。

そして25分休みに…

< 4 / 6 >

この作品をシェア

pagetop