花火
夜になり、私は言われた通りそのクラブにノコノコといった。馬鹿だ。
クラブ内は平日というのに人がいっぱいいた。バーカウンターで飲み物をもらいステージを眺めていると数人の女性は私をチラチラとみて嫌な顔をした。
きっとあの時KENを殴ったのもみた人だろう。
「ねぇ、なにのんでんの」
チャラチャラした男がきた。
「一緒にぬけね?」
「私待ち合わせしてんの」
「あぁ、なら俺がやるよ」
そういってポケットからだしたのは白い紙を折ったものだった。
「なにこれ?」
「ハーブ」
「は?いらない」
「クラブで待ち合わせってこういうことじゃねーの?」
「違うわよ。」
「ま、いいや、ね、遊ぼーよ」
「ちょっともうやめて」
肩を組まれ無理に外に向けられた。
「おい、」
「そら」
「お前まってんだからはやくこいよ」
そらが私の手を引くも、男は私から手を離さなかった。
「なぁ、そら、俺の方がこの女先に捕まえたんだよ」
「KENが呼んだKENの客だぞ。それでもまだいうか?」
「あぁ?お前先いえよ」
私はそらにひっぱられまたあのVIPルームにいった。
ソファがあってそこにはKENが座っていた。
「なんかよう?」
「相変わらずだね。ね、君さ、俺の女にならない?」
「なりません。話は以上ね?」
「じゃあさ、100万ここにある。これでお前を買う」
「は?なにいってんの」
「お前を100万で買うっていってる。安い?なら500わ?」
「ふざけないで!あんたさ、口説いて無理なら金で買うってわけ?だから振られたことがないわけね。あのね、金で買えないもんもあるわけよ。わかる?じゃ、そういうことだから。さよなら」
私は部屋をでて、家にむかった。
「ごうくんただいま。ごめんね?遅くなって。」
「おかえり、無事ならなんも言うことないよ」
「ありがと。ご飯食べた?」
キッチンをみるとえらく散らかっていた。テーブルを見るとご飯がならんでいた。
「これごうくんが?」
「味は保証できないけど…」
「うそぉ!すっごい…」
「温めなおすね、花火も着替えておいで」
「うんっ」
服を脱ぎ捨て鞄も放り投げ、リビングにいくとお味噌汁とご飯がならんでいた。
チンっという音がなるたびにテーブルに並ぶおかず。
「どーぞ」
「いただきます」
目の前にあった野菜炒めから食べた。
「うん。」
「だめかな?」
「すっごいおいしいよ」
「はー、よかったあ」
「ほんとおいしい!」
私がおいしいおいしいと言うたびごうくんはニコニコしていた。
食べ終わりお皿を洗っていると後ろから抱きつくごうくん。
「どうしたの?」
「花火…好きだよ」
「ごうくん、私もだよ?」
ごうくんには素直に甘えれた。
すっごく幸せだ。
洗い終わるとごうくんは私をお姫様抱っこしてお風呂場にいきお互いを洗いあった。度々キスをするごうくんが愛おしくてたまらなかった。
お風呂をでるとソファの上でビールで乾杯した。
「ごうくん今日どうしてご飯つくってくれたの?」
「今日ちょっと早く帰ってこれたのと花火ビックリさせたかった」
「ふふ、嬉しかったよ。ありがと」
「花火は?どこいってたの?」
「ちょっとね、」
「ちょっと?」
「友達がね、困ってたから相談のってたの!」
「そっか、解決できるといいね」
「そうだね。」
ビール缶が空になるとごうくんは私をお姫様抱っこしてベッドへ。
「ごうくん…」
ごうくんを1番に感じる。
誰よりも1番近くにいる。
2人疲れ果てるとごうくんは私を抱きしめて首にキスマークをつけた。
「俺の花火だよ」
ごうくんが愛おしい。この幸せが続けと願うばかりだった。
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