花火
人がいるのに寂しい教室。
ガヤガヤしてるのに空っぽだった。
ここに居場所はない。いや、なくした。
「ねぇ!!!」
イヤホンで音楽を流してても聞こえる大きな声。びっくりしてイヤホンをとった。
「なに?」
チャラチャラした男の子。
滝沢そら。流星と犬猿の仲の人。
「なんで流星と最近いないの?」
「それってあんたに関係ある?」
「冷たっ。まぁ、ないわな」
「でしょ、なんかよう?」
「次自習だって」
「そっ、ありがと」
「だから遊ばね?」
「は?」
「ちょ、いーからいーから」
「なにすんのよ、ねぇ!」
手をひっぱられ、無理やり立たされた。
「もー。しょうがないな」
「ちょ、おろして!!」
お姫様抱っこをされそのままつれさられた。
「どこいくのよ!おろして!」
「あんた飯食ってる?」
「は?もうおろして!」
廊下にいる人みんながみてた。
「ちょっと!」
ズカズカと歩いていくも、行き先はおしえてくれなかった。
「おい、そら」
「ちっ、お前かよ」
「お前花火つれてどこいくんだよ」
流星だった。
「どこでもいいだろよ、お前が捨てたんだから拾ってんの」
「あぁ?お前ふざけてんの」
「ガタガタいってんなよ。」
「ちょっと!まずおろして!」
「お前関係ねーだろよ」
「あぁ?おい、そらお前…」
「もういいから!流星黙ってて」
そらはそのまま歩き続けた。
流星はなにもいわずたちどまってた。
ついた場所は屋上。
「ね、もうなに」
やっておろしてもらえた。
そらはポケットからタバコをだし、火をつけた。
「あんた友達いないだろ」
「は?だったらなに」
「ほんと俺とにてるわ」
「どこがよ」
「そういうところ」
「は?」
「けんってしってる?」
「けん?」
「あんたがクラブでひっぱたいたやつ」
「え、あぁ。」
「そいつ、おれの連れなの。」
「だからなに」
「けんが、お前のこと気に入ったんだってー」
「は?なんで。叩かれて喜んでんの?ふっ、ただのM男じゃん」
「けん振った女なんかいままでいないからな」
「運がよかったんだね」
「な、今晩そのクラブこいよ」
「は?いくわけないでしょ」
「けんがまってるってさ」
「だからいかないっつーの」
「お前さ、もうちょっと可愛くできないの?」
「余計なお世話」
「まぁこいよ。こなきゃ毎日誘うから」
「は?」
そらは私に背を向けて手をふった。
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