シンデレラは硝子の靴を
それから数分後。



自動ドアが開いた音がして、坂月が再びパソコンの画面から顔を上げると。



「ありがとうございました。」




雨に濡れていた沙耶が、着替えを済ませて、中に入ってくる所だった。




「ドライヤーも、お借りしてしまいました。」



すみません、と恐縮しながら謝る沙耶を見て、坂月はとんでもないと首を振る。




「社長は人使いが荒いので、秘書の方が何があっても解決できるよう、色々用意してあるんです。むしろ、好きに使っていただいて良いんです。」




新しいスーツに身を纏う沙耶を前に、同じものをあと5着は用意させておいた方が良いかもしれないと、坂月は思った。



「では、早速仕事内容の説明をさせていただきます。」





坂月が、沙耶に伝えることは大きく分けて、4つ。



1つは、フロアの設備の説明。




「もうご存知かとは思いますが、このフロア全体は、社長と幹部の者、秘書しか入ることができないゲートがあり、応接セットも、大事な来客用のもののみとなっております。」



例えば家族とか、親戚、親しい友人などがその部類だと坂月が補足する。




「秋元さんは、大体このデスクに着いて、勤務していただくことになります。」






< 138 / 416 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop