シンデレラは硝子の靴を
ねぇ石垣。



あの時、全てを失った子がした約束と。



約束の為に全てを賭けた子のそれとでは。



温度差があったんだと思う。




大きくなって、その差に苦しませてしまって、ごめんね。



お伽話の中のシンデレラは、素直に硝子の靴を履いたのに。



私は素直じゃなくて、ごめん。



守ってもらうことに、慣れてないの。




だから。




こんなの自己満足で、僅かな時間稼ぎにしかならないんだろうけれど。



私なりの精一杯のやり方で、メッセージを送るよ。



あの頃出逢った、二人の男の子に。




それぞれの傷の種類があるにせよ、あの時過ごした時間と約束が、発端になっているから。





シンデレラは硝子の靴を、履かない。




どちらの靴も、受け取らない。




そうすることで約束を反故にするから。




だからもう、自由になって。



負の連鎖を断ち切って。



ちゃんと、向き合って。




金木犀と百合が香る思い出と共に。




私の記憶も、消し去って。
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