浮気彼氏から奪うオトコ。





「あぁ。そういえばこれお見舞い」

「ん?」



渡されたのは、甘いクッキーの詰め込んだ袋。


「え!これって駅前の?」

「うん。あそこ人気なんだね」

「う、うん…。でもあたしがそこのクッキー好きだなんて、誰から聞いたの?」


蒼斗クンは、小さく考え込んで、それから


「君のナイト様から」


と笑顔で応えていた。


「ナイト様ぁ?そんな人いないよ」

「そうかな?じゃあ早く治して学校に来てよ。

アイツがうるさいんだから」


「廣クンのこと?」


「そうそう。案外かまってちゃんかもね。んじゃ」

「かまっ…?」




さっきから何を言いたいのかよく分からないまま、蒼斗クンは帰ってしまった。


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