浮気彼氏から奪うオトコ。
「秀ー?いい加減に開けてちょうだい!」
家の前に立って、声をかけても中々開かない。
ゴミ袋が2つほどおいてある。
「あれ…彼は誰かと住んでいるのですか?」
「…分からないのよ」
「やっぱり…、蒼斗クン。柚希がいるのかも知れない」
「えっ?」
あたしは思い切り柚希を呼んだ。
「柚希っ!お願い、開けて!いるんでしょ?!」
何度も扉を叩いていると、ゆっくりと開いた。
あたしと蒼斗クンは目の前の人を、ただ唖然として見るしかなかった。
「ゆ、ずき…?」
変わり果てた柚希は、傷まみれで。
あたしの腕の中に倒れこんだ。
「柚希!」