龍乃一味のカオスな学園生活

アタイと父ちゃんと夕城の大旦那

龍乃の家に、最近よく来る客がいる。

大男だ。

父の龍太郎も背が高い方ではあるが、客はまだ大きい。

黒髪短髪、右の眼は閉じている。

後から龍太郎に聞いた話だと、色々あって隻眼なのだそうだ。

見えている左の眼が、また目付きが悪い。

『邪眼』と呼ぶに相応しい、睨むだけで人を気絶させてしまいそうな瞳。

だから龍太郎が留守の時に、この大男が丹下家にやってきた時は、流石の龍乃もおっかなびっくりになったものだ。

もしあの大男が母の小夜に手を出しそうになったら、アタイが守らなきゃいかんのか。

龍太郎に拳法の稽古をつけてもらっていたのは、幼稚園の年長組の頃だけ。

果たしてアタイが、あの大男に太刀打ちできるのかと。

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