龍乃一味のカオスな学園生活
部屋の外から様子を窺っていたら、小夜が台所でお茶を淹れて盆に載せて運んできた。

母ちゃん危ないっ、殺されるよっ、と龍乃が制止するのも聞かず、大男の前に座る小夜。

「ようこそおいで下さいました。生憎主人は、龍娘先生の所に行っておりまして…粗茶ですがどうぞ」

「む」

む、って何だ。

それで通じると思ってんのか大男っ。

と思ったら、小夜は柔らかく微笑んで部屋を出て行った。

通じているらしい。

「母ちゃん、無事っ?変な事されなかったっ?」

身を案じて駆け寄る龍乃に。

「お父さん帰ってきたら、お客さん来てるって教えてあげて?それだけ言えばわかるから」

小夜はそう言って笑いかけた。

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