龍乃一味のカオスな学園生活

龍乃…臥龍が言うには、何故龍乃の中に移ってしまったのかは、彼自身も分からぬらしい。

小夜が龍乃を身籠った時、臥龍もまた龍乃の中に移っていた。

恐らくは丹下の血に別の一族…小夜の血が混じった事で、このような事か起こったのではないかと。

それ以上の事は、誰にも分からなかった。

「で、龍乃はどうなる？」

「どうもならんさ」

翡翠の問いかけに臥龍は答える。

「時折こうして龍乃の身を借りて表面化する程度だ。我が内に引っ込めば龍乃は普段通りに戻るし、こうしている間も龍乃は眠っているだけだ。何の影響もない」

「……」

複雑な表情を見せる龍太郎。

「龍乃に何かあれば、我が入れ替わって守ってやろう」

臥龍の言葉に、顔を上げる龍太郎。

「何という顔をしている」

臥龍は薄く笑った。

「我を『竜』ではなく『龍』にしたのはお前だろう、龍太郎」