龍乃一味のカオスな学園生活
「おー?龍乃、帰ったんか?」
道場の方から、父が顔を覗かせる。
今も指導の真っ最中だ。
「たまにゃ一緒に稽古やろうや。親子水入らずでガチの殴り合いとかよぉ」
「やだね、アタイは将来スポーツ選手になんのっ、ガチムチの格闘家なんて御免だねっ」
にゃははっ、と笑ってスタスタ二階の階段を上がっていく龍乃。
「つれねぇなぁ…反抗期って奴かねぇ…」
かつての天神学園一の問題児も、娘の扱いにちょっと困惑気味。
それに。
「……」
軽くサンドバッグを殴ってみる。
200キロのサンドバッグは、まるで振り子のように大きく揺れたが。
「…イマイチ」
龍太郎は首を傾げる。
どうもここ十年ほど、龍太郎は調子が悪い。
といっても、たまに翡翠と組手稽古しても引けを取らないほどの腕前は健在なのだが。
今一つ、何か欠けるような。
肝心な何かが抜け落ちたような。
ここ十年、そんな感覚が付き纏う。
道場の方から、父が顔を覗かせる。
今も指導の真っ最中だ。
「たまにゃ一緒に稽古やろうや。親子水入らずでガチの殴り合いとかよぉ」
「やだね、アタイは将来スポーツ選手になんのっ、ガチムチの格闘家なんて御免だねっ」
にゃははっ、と笑ってスタスタ二階の階段を上がっていく龍乃。
「つれねぇなぁ…反抗期って奴かねぇ…」
かつての天神学園一の問題児も、娘の扱いにちょっと困惑気味。
それに。
「……」
軽くサンドバッグを殴ってみる。
200キロのサンドバッグは、まるで振り子のように大きく揺れたが。
「…イマイチ」
龍太郎は首を傾げる。
どうもここ十年ほど、龍太郎は調子が悪い。
といっても、たまに翡翠と組手稽古しても引けを取らないほどの腕前は健在なのだが。
今一つ、何か欠けるような。
肝心な何かが抜け落ちたような。
ここ十年、そんな感覚が付き纏う。