龍乃一味のカオスな学園生活
「………………以前、死神をしている父から聞いた話なのですが…」

冬樹は訥々と話し始める。

正月になると、飾る象徴的なアイテムでもある鏡餅。

何故わざわざ餅を丸くして重ねるのだろう。

冬樹が説明するのは、民俗学・宗教学上の有力な説に基づくものだ。

…鏡餅は、何と『死霊を宿らせる為のもの』なのだという。

神社に行くと、鏡が祀ってある。

あれはご神鏡といい、『神が宿る』と言われている『依代(よりしろ)』だ。

神道では、鏡、御幣(神社にある紙が折って挟んであるもの)、榊の木などに『神が宿る』と考えられている。

これを依代という。

鏡餅は、表面を神社のご神鏡のように照り輝かせる形などを見ると、明らかに神々が宿る依代なのだ。

正月とは死霊の祭りであり、山や海から死霊がやってくる。

家まで来た死霊は鏡のような餅に辿り着き、そこに宿るのだ。

人々は初詣として、死霊に祈りを捧げるのである。

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