龍乃一味のカオスな学園生活

夕城家の年末

「パパ、パパ」

甘ったるい声が、武家屋敷に響く。

「パパ、ここなの?」

障子を開けて、ヒョイと顔を覗かせたのは、鈴木家長女の鈴木 すず。

現在天神学園大学部に在籍。

舌っ足らずに『しゅじゅなの』なんて言っていた幼女時代も今は昔。

すっかり大人の女性になりました。

今も鈴木一家は夕城邸の離れに住んでいる。

夕城一家と家族同然の付き合いだ。

「すずちゃん?」

父を探して首を傾げていたすずに、金髪碧眼の女性が声をかける。

母の七星だ。

「パパなら今日は天神学園の方に行ってるわよ?職員室の自分の机の大掃除だって」

「そうなの」

すずはコクコクと頷く。

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