龍乃一味のカオスな学園生活
「ほら拓斗、飲めよ」

「おととっ…龍太郎君注ぎ過ぎだよ」

こちらは龍娘流師範、龍太郎と拓斗。

差し向かいで飲んでます。

いいねぇ、男同士の友情。

小夜とペインが料理運んだり、酒を注いだり忙しそうにする中、ほろ酔い気分で様子を眺める。

「天神学園で地獄の修行してた俺らが、嫁や子供の様子見ながら酒飲むたぁな…歳食ってる訳だぜ、俺達も」

「何言ってんの、まだ鬼龍さんだって龍太郎君には勝てないんでしょ?彼女は龍娘流の師範代なのに」

拓斗が微笑む。

いまだ龍娘流では龍太郎、拓斗、龍娘の三人が上位を争う。

臥龍の抜けてしまった龍太郎ではあるが、素の実力でも人間としてはトップクラスだ。

拓斗はあのタイマントーナメントの後も、修行は一日たりとも怠っていない。

今戦えば、かつてよりも龍太郎を確実に追い詰める。

組手ならば二回に一回は龍太郎から一本取る。

実戦でもかなりいい所までいくだろう。

龍娘は『もう衰えた』と言うが、まだ実力は健在。

若かりし頃の筋力はなくなったかもしれないが、柔よく剛を制すような『枯れた技』ならば龍太郎達をも上回る。

まだまだ龍娘流最強の座は譲らない。

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