龍乃一味のカオスな学園生活

対する冬樹はというと、話聞いてたんだか聞いてなかったんだか、いつものようにボケーッと突っ立っている。

花みたいな可愛い女の子とオフィシャルにチューできる絶好のチャンスだというのに、この無反応は何事だ。

理事長だったらヨダレもんだよ。

「それもどうかと思うけどね…」

琥珀、胡乱な目。

「た、武君、いいんですか？話の成り行きで花ちゃんが、チ、チューしちゃいそうですけど…」

セレナが訊ねる。

「む、むぅ…」

苦悶の表情を浮かべる武。

「しかし、豆太郎の忠義の篤さには、この夕城 武も感服した。その忠義に報いてやりたい。冬樹の事も、俺は憎からず思っている。可愛い妹を託すに値する男だとな…」