龍乃一味のカオスな学園生活
話は早い。

「いいだろう」

武が韋駄天を携えて前に出る。

「相手になろう。好きな得物を持って来い」

腰に帯びた刀に手をかけるが。

「何を勘違いしている、チビ」

武の前に立ったのは、生徒会長でも副会長でもなく、大柄で筋肉質の男子生徒だった。

「生徒会長がお前の相手など務めはしない。お前、天神生徒会の三役ですらないのだろう?そんな地位の者が、生徒会長の相手など笑止千万」

「…地位?」

武は訝しげな顔をする。

「頼張高校には、地位など存在するのか?」

「当然」

男子生徒は、手にした竹刀を構える。

「成績優秀、容姿端麗、武芸百般な者が頼張の中枢たる生徒会を運営し、全校生徒達を導く。生徒会役員、特に三役は、選ばれし者でなければならんのだ。そしてその選ばれし者を警護するのが、俺のような風紀委員の務め」

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