続・迷惑なイケメンに好かれました。
「ーーおい」
あまりに冷たくて威圧的な声が、家のドアに手を掛けようとした俺を引き止めた。
……やっぱりか。
突然莉子がやって来たんだ。
まるで俺があの高校に通っていることを知っていたかのように、当たり前に学校の前で待ってたんだ。
どう考えたって、この男が絡んでるんだろうなって思ってた。
「……なんの用だよ」
莉子の幼なじみで名前は確かそう、藍くん。
愛想の欠片もない、いつもムスッとした顔をしたこいつのことを莉子はそう呼んでいたはずだ。
中学は私立に通っていたらしく、よく知りはしないけど莉子と家が近くて、あいつを家に送る時によく会っていた。
誰がどう見たって莉子が好きで、良いように思われてないことは知っていた。
「白々しい。何の用かくらい頭悪そうなお前でも検討つくだろ」
吐き捨てるようにそう言ったこいつは今でもやっぱり好きになれそうにはない。
……まあ、きっとそんなのお互い様なんだろうけどな。