強がりウサギの不器用な恋

「明未から。……連絡先交換するの忘れたから、それ渡しといてくれって。」


その紙を広げると、携帯の番号とメールアドレス、LINEのIDが書かれていた。


そういえば……
あの時は私はベッドで点滴を受けている状態で。

私も明未さんも、お互いに連絡先交換まで頭が回らなかった。


「なんか……ラブレターを貰ったみたいで、嬉しいです。」


そう言葉にすると、思わず顔が綻んだ。
きっと絶対に交わらないと思っていた二つの線が、交わったように思えたから。


あぁ、そうだ。
妊娠はしていなかったと、早速明未さんに連絡しなくては。

きっと心配させてしまっていると思う。

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