【完】英国紳士は甘い恋の賭け事がお好き!


「三つも!?」
「素敵な女性には素敵な靴が必然ですからね」


当たり前だと言わんばかりの口調にたじろぎながらも、靴の入った箱も開けてみた。

(可愛い……)

ベビーピンク色のハイヒールだ。白いファーがもこもこしていて可愛い。サイズも恐る恐る履いてみたらぴったりだった。サイズを三つじゃなくてちょっと色合いが違うハイヒールが三つだ。

「足のサイズも賭けてみましたが矢張私の勘は当たりますね」
「あの! 大変素敵ですが、このような高価な物、私、その、払えません! ごめんなさいっ」

きっと想像がつかないぐらい高いであろう服や靴。
とてもじゃないが私には買えない。自由に使えるお金には限界がある。


「代金は頂きませんよ。私からの贈り物です」

デイビットさんは人の良さそうな笑顔で私を見ているけど、こんな高価な物、良心が痛む。


「高価な物を頂くなんて益々無理です」
「うーん」

私も負けじと断ると、デイビットさんは顎に手を置きながら考え込む。まるで名探偵シャーロックみたい。


外人さんは絵になる。
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