難攻不落な彼女
「それ、どういう意味?」

「あんたくらいの顔って。失礼な女!!」


由衣の発言にみんなが反応すると、由衣はさらに続けた。


「咲良には、それはそれはイケメンのお兄ちゃんが3人もいて、その人達を見て育ってるから、糸井くらいでは、ドキドキしないってこと!」


「そうなの?」


由衣の発言を聞いて、蓮が咲良に尋ねると、咲良は困った様に首を傾げた。

何も言わない咲良の代わりに、由衣が言う。


「そうでしょ!流行のイケメン俳優だって、そんなにかっこいいかなぁとか言ったりするし、そもそも咲良が誰かをかっこいいって言うのなんて聞いたこと無いし。

だいたい、糸井見て、かっこいいって思うの??!」


熱く語る由衣に聞かれ、みんなに見られ、困ったように笑いながら


「言われてみれば、確かにかっこいいかな?」

戸惑いながら、答える咲良。


自分はそうは思わないが、言われてみれば、一般的にはかっこいい気がする。

そう言われている気がした。


女好きを嫌悪されたことはあるが、顔を否定されたことのない涼介にとってそれはなかなかの衝撃だった。


そんな涼介に、蓮がとどめを刺す。


「え?じゃあ、涼介に見つめられてもドキドキしたりしないってこと?」


「しないよ。」


さっきりも、はっきりと即答で咲良は答えた。
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