難攻不落な彼女
(何か、ヤバい。)



そんな涼介の心境に気づかない咲良は


「あ、ご飯食べる暇がなくなるじゃん!じゃ、後でね〜」



何事もなかったかのように去って行った。




そんな咲良の後ろ姿を見ながら、涼介は



「ありがとう」




と言った。



もちろん、そんな涼介の言葉は咲良には届くはずもない。


流れで何となく言ってしまっただけだった。それでも、咲良に話して良かったと思った。





咲良に友達だと言われて、自分の未来の彼女の友達になると言われて嬉しかった。




その言葉に救われた気がした。


だから、今は、



喜ぶその心のどこかが少しだけ苦しのには気づかないふりをしよう。




今はただ、この喜びに浸ろう。
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