難攻不落な彼女
3章 独りぼっちの彼女
「何か、俺だけのけ者な感じ〜。」



日本史の課題のことを話すと、颯太がすねたように言った。



「じゃあ、お前も手伝えよ」


「えぇ〜!嫌だよ。面倒くさい。」


「じゃあ、黙ってろ。」


蓮と颯太の会話を聞いていると、



「あのさぁ、最近、涼介、咲良ちゃんと仲良しじゃない?」



子犬のような顔して、颯太が聞いてくる。



「そうかなぁ〜。咲良ちゃんは誰にでも優しいし、普通じゃないかな?」


涼介が答えると、




「そりゃ、鈴木さんは普通かもしれないけど、普通じゃないのはお前だろ?」




ニヤニヤしながら蓮が言ってくる。




「やっぱり、蓮もそう思う?俺もちょっと変だなって思ってたんだ〜!

 何?何?りょーちゃん、咲良ちゃんのこと好きなの?」




「別に、そんなんじゃ無いけど・・・」




「いや、だから、それだよそれ!
 
 いつもの涼介なら『うん。可愛いから咲良ちゃんのこと大好きだよ』とか言いそうじゃん!」



なかなか鋭い指摘に、涼介が何も言えないでいると、



「あんまりのんびりしてると、他に取られるぞ」



からかうように蓮が言ってくる。




「それはお前だ」


ムスッとした顔で言う涼介と、涼介の言葉に苦い表情の蓮。他校にラブラブな彼女がいる颯太だけ余裕の笑みで二人を見つめる。



「「お前、その顔ムカつく!!」」



「えぇ〜そんなぁ」


二人に声をそろえて言われ、颯太が情けない声を上げた。

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