君と、優しくて愛しい日々を。


「…………」


すると、ナツは立ち止まって、ちょっとの間考えるように、私の顔を見つめていた。

「……?」

ドキドキと心臓が鳴るのを感じながら、同じように立ち止まって見つめ返す。


カッコいい顔が、近い。

なに、なに、なに。


ポケットがなくて、行き場なく冷たくなっていく私の両手。

仕方なくカーディガンの袖のなかに収めていると、ナツは片手をポケットから出した。

そして、無言で私の片手を握ってくる。

そのまま、その手をカーディガンの袖のなかに潜り込ませて、私の手に絡ませた。


いわゆる、恋人つなぎってやつで。


「………………」

「……なに。嫌ですか」

「…嫌じゃないです。むしろ嬉しいです。感動してますナツさん」

「そうですか。そりゃよかったです未海さん」

心臓が、ひたすらズキズキバクバクしてる。

ギューッて掴まれて、止まんない。

ちょっと照れ臭そうな顔して前を向くナツに、もうキュンキュンしすぎて死にそうだよ。


これが、三年間夢にまで見た関係。

春も夏も秋も冬も、何度も何度も願った関係。

……私、今ナツと、彼氏彼女。




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