君と、優しくて愛しい日々を。


その照れたような、不安そうな目に、ぎゅう、と胸の奥を掴まれる。

……ちゃんと、見てくれてたんだなぁ、って。

私の、そんな些細な変化に、気づいてくれたんだなぁ、って。


……嬉しい、な。


でも。


「…………」


何も言えずに俯いた私に、ナツはまた眉を下げた。

そして、「ごめん」と言う。


「……俺、気づかない内にお前のこと、傷つけてたら…」

「そ、それは違う!」


バッと顔を上げて否定すると、ナツはびっくりしたように目を見開いた。

「…え、違うの?」

「ちっ、違う。そうじゃないの。ナツはなんにも悪くなくて…」

ただ。

私が…………


「……私、が…」


子供な、だけで。


「………………」

立ち止まったナツが、眉を寄せて私を見てる。

夕暮れの日は朱色をして、地面を染める。

今日会ったばかりの頃より寒くて、夏が恋しいと思った。



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