君と、優しくて愛しい日々を。
裕也はここぞとばかりに、「ほら、例えばさ」と言ってくる。
「廊下とかで、お前が今みたいにストロー咥えながら、ぼーっとしてんじゃん。クール王子のいつもの光景だと思って、俺はしばらく流してたけどさ」
な?と裕也が俺を見る。
……そんなに俺、いつもぼーっとしてるように見えてたのか。
「けどよく見てたら、大っ体お前の視線の先には、必ず色葉ちゃんがいんの。飽きずにじーっと見ててさぁ。ベタ惚れかよ、お前」
ハッと裕也に笑われて、かぁ、と顔が熱くなる。
…お前だって、丸井さんにベタ惚れじゃねーか。
休みの日は毎回丸井さんのためにお菓子作って持ってくぐらい、惚れてるだろーが。
「…………」
ムッとして吸ったストローが、ずーーー、と音を立てる。
空になったパックには、いちごみるくと書かれていた。
……これ、色葉が好きなやつだよなぁ。
今日に限って、全部飲んでしまったことを後悔。
……なんていうことを、自然と考えてしまうくらいには、俺も裕也と変わらないんだ。
俺は小さくため息をついて、「なんか、さ」と話し始めた。