君と、優しくて愛しい日々を。


「二年になって隣のクラスになって、顔を見る機会が増えたからか、浮かれてる」


裕也が、「…お前が?」と言う。

俺は、静かに頷いた。


「そ。俺が」


一年の頃は校舎が別だったし、一日一度、偶然顔が見れたらいい方だった。

だから、浮かれてる。

一年の頃よりずっと、色葉の些細な行動とか、丸井さんとのお喋りだとか、教室での笑顔とか。

そういうのを、何気なく見れるようになったから。

……それに。


「…あいつが、他の男子と喋ってんの見てると、…少し、イラつく」


そう言うと、裕也が驚いたように俺を見た。

そして、「珍しいな」と言う。


「純が彼女のことで妬いたりとか、今まであったっけ」

「…ない」


初めてだ、こんなこと。

当然といえば、当然だけど。

我ながら最低だと思うけど、今までの彼女は、『遊び』だったから。

そういう執着とか、独占欲とかは、湧いてこなかった。




< 73 / 86 >

この作品をシェア

pagetop