君と、優しくて愛しい日々を。


「…やきもち?」


その瞬間、純くんの手が私の頬をなぞった。

ちゅ、と軽いリップ音と一緒に、キスをされる。


「色葉が調子乗んの、終わり」


べ、と舌を出して意地悪そうに笑うその姿は、いつもの王子様で。

私は赤くなりながらも、「えー」と唇を尖らせた。

「もっと調子乗ってたい」

「だーめー。今度は俺の番ですー」

ニヤリと笑った純くんが、私の顔を覗き込む。

…そんな、いつも通りのやりとりが、なんだかすごく愛しく感じた。



「お前に『わかった』って言ったあと、仕方なく帰ろうとしたら、靴箱で裕也に会ってさ。『色葉ちゃん、男子と作業してるけどいいの?』って言われたんだよ」

だからやっぱり待つことにした、と純くんはポツリと言う。

…裕也くん、ありがとう。

私はその表情を見つめながら、「どこで待ってたの?」と訊いた。


< 82 / 86 >

この作品をシェア

pagetop