君と、優しくて愛しい日々を。


純くんは、必死に私から目をそらす。

それが面白くて、私は笑いながら男子に「バイバイ」と言った。






「だって、傘が濡れてないんだもん。さっきまで外にいたんなら、びしょ濡れのはずでしょ?」


大きな黒い傘に、ふたりで入る。

私がニコニコしながらそう言うと、純くんは眉を寄せて「アホのくせに、そんなとこだけ気づくなよ」と言った。


「いーじゃん。アホだけど、大好きな人のことくらいは、気づくんだよ」


純くんは驚いたように私を見ると、やっぱり赤い顔でムッとする。

私はそれを、目を細めて見つめた。

…今日は、形勢逆転かなぁ?



「…なんで、待ってくれてたの?」


さっきよりも小降りになった雨が、傘を濡らす。

純くんは前を向いたまま、「…なんでだと思う?」と言った。

私はジッと純くんを見つめて、わざと考えるような顔をする。

余裕ある格好いい純くんの顔が、だんだんと赤くなっていくのを見ながら、ふふ、と笑った。



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