ペン先と筆先
彼女の力量は半端じゃなかった。
彼女は、当たり前な絵を描く。
すなわち、真似っこな絵なわけだ。
しかし、真似っこも真似をしたものを超えれば、それは芸術となり感動を呼んでしまう。
その絵を前にして、現実から目を背けるために描いた幻想的な絵は、評価されなかった。
がく然とした。
小学校の時から絵に関しては英雄で、祖母に崇拝までされていたこの私が負けるなんて。
コンクールなどではなくても、描いた絵でわかってしまう。
評価してしまうのだ。
ついで、彼女は人望があった。
口下手で暗めな性格の私と違って、彼女は明るく陽気だった。
女子力の差なんか、天と地の差。
そんな彼女に負けた私の実力。
――自分よりしたの絵を見て安心するような汚い人間が――美しい絵など描けるはずがない
そう言われたようだった。