大切なモノ
いつからだっただろう?


そうだ、中学二年生の時の文化祭だ。
なんだか盛り上がらないクラスで、放課後はみんな部活だ用事だって集まらなかった。


こんなんで終わるの⁉︎って思いながら溜息ついたのは、実行委員の私。
そんな私をちらっと見て、

「私なんかじゃ役にたたないよね、でも頑張るから」


そういって、困ったように笑ったのがゆかり。
そんなつもりじゃなかったのに、おとなしいゆかりには、溜息が自分へのものだと感じたらしい。


そんなつもりじゃ……
なんて言うのも白々しく感じて、その日はこれでもかってくらいに話しかけたんだ。
そしたら、意外にも凄く楽しくてそれをきっかけにどんどん仲良くなっていった。


気づけば、同じ高校に入学して、いつも一緒にいて。
これこそ心友ってくらい大切な存在になったのは、お互いだったんだって思いたい。
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