トナカイくんとハッピークリスマス!


少しだけ時間が過ぎた頃、



「わりぃ。遅れた」



そんな声が体育館に響いたんだ。


振り返ると



「渡辺くん…?」


「えっ? 戸田さん?」



鞄とバッシュを肩に掲げて現れたのは去年クラスメイトだった渡辺くんだった。


渡辺ヒロキくん。確かバスケ部だ。



「なんで戸田さんがここに? えっ、お前らもしかしてそういう関係か?」


「はっ? バカ、ちげーよ」



渡辺くんの言葉にすかさず反応したのは峰岸くん。



「戸田さんはたまたま通りかかっただけで、約束とかしてたわけじゃねーし…!!」


「へぇ~?」


「見学したいって言うから、それで一緒にいただけで…」


「ふ~ん。見学したいって言われてOKしたんだ? お前が、へぇ~」



慌てる峰岸くんにニタニタと意味ありげな笑みを浮かべて距離を縮める渡辺くん。


首に腕を回され脇を突っつかれてる。



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