イクメンな彼氏
悠斗さんは短くため息をついた後、低い声で続けた。

「……わかった。
なるべく早く行くから、『green express』で待っててくれないか」

まだ仕事中なんだよね。
邪魔しちゃってごめんなさい。

心の中で謝りながら「はい」と答えて電話を切ると、手のひらにはじっとりと汗が滲んでいた。

緊張が解けてまだここが悠斗さんのマンションのエレベーターホールだということを思い出す。

40階のエレベーター前からはシエロビルが目に入り、そこにいる彼のことを思った。

悠斗さんと話すことが怖い。
だけど逃げわけにはいかない。



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