イクメンな彼氏
やばい。悠理花ちゃん乗り物嫌いだからね、とりあえず動いてなきゃ駄目だし、行くしかない。

泣き声に背中を押されてボタンを押す。20~のエレベーター。悠斗さんのマンションと同じように滑るように昇っていくエレベーターは、あっという間に25階に到着した。

エレベーターを降りるとすぐにカウンターがあり、悠斗さんの会社の名前が目に入った。

まさかこの広いフロア全部、悠斗さんの会社なの?家族でやってるって、自営業とかじゃなくて……?

戸惑って立ち尽くす私に、一番近くに座っていた童顔の可愛らしい女性がにこやかに近寄ってきた。彼女は私の足元のベビーカーに目を止め、あら?という顔をした。

「新しいベビーシッターさんですか?」
悪気なく発せられた問いの返答に迷う。

彼女です、何て自信満々に言うのもどうかと思うし、さすがにベビーシッター扱いは困る。

「えーっと……」
悠美子さんに書類を頼まれたことを言えばいいか、と口にしかけた時、奥のデスクの男性が小走りでやってきた。
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