恋愛温度差
「いろいろ誤解なさっているようなので、俺から訂正させてくださいね。光さんいわく、一人暮らしアルアルの『事故的なアレ』ですが、あかりと事故はありました。俺、女を選り取り見取りできますけど、『売れ残りババア』をどうしても罠にかけてまで、寝取る必要がありましたから。『靴擦れごとき』が俺にとったら、最高の罠でしたよ。『事故的なアレ』を装って、ある人からあかりと奪えたんですから」
 言い終わると、俺はにこっと最大級の笑みを披露した。

「え? ええ??? どういうこと? あかりと……」
「あかりを抱きました。これからもそういう関係は続けます。昨日のことは、光さんやあかりの言う『一般論では事故的なアレ』なのかもしれませんが、俺からすれば、事故で片づけられて気分が胸糞悪い!!」
「あ、ハイ。すみません」と、光さんが頭をさげた。

 俺は「ごちそうさまでした」ときれいになった皿にむかって手を合わせてから、立ち上がる。

「それと、俺のテンションダダ下がりになったのは、黒崎オーナーの勝手な思い込みによる『オンナ』像を今日もあかりが続投し続けていたからです。今日の格好は、光さんに言われたことによる怒りからみたいですが」
「あ、ハイ。すみません」と再度、光さんが頭をさげた。
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