Sweet Love
そんな俺たちに嫌気がさしたのか由愛が保健室に行くと言った。



俺は、由愛と一緒に行きたかったがそんなことをしたら原田にあやしまれるに決まってるから黙って見送るしかなかった。



職員室に戻った俺は、席についてため息をつく。



「そんなにため息ついたら幸せ逃げちゃうよ」



「慎…」



「最近、疲れてるね。癒しが足りない感じ?」



なんて言いながら、にやにやしてる慎。



その顔が全てを見透かしてるようで腹が立つ…



でも、あながち間違ってはない…



「まあな…」



「大変だね〜モテる男って。」



「お前が人のこと言えんのかよ。」



「ははっ嫌だな〜紘人よりはモテないよ〜」



憎たらしいやつ…



あ〜!もうダメだ!



もう一回外行こ…



席を立って外に出ようとすると



「どこかに行くの?」



「ちょっと外に…」



「ふ〜ん…」



なんだその反応。



俺はどうでも良さそうな慎を無視して外に出た。



はぁ…俺は一体なにをしてるんだ…



由愛がいないとなにもできないなんてな…



「バカだな…俺は…」



きれいな星を見ながら呟いた声は白い息と共に消えた。



しばらくして、職員室に戻っていると玄関で由愛と会った。



手には荷物を持っている。



帰るのか?

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