Sweet Love
「お前、もう帰るの?」



「はい…」



俺の質問に答えた由愛の顔色は、さっき会った時よりひどくなっていた。



1人で帰らせるのが心配だった俺は送ると言った。



だけど、由愛は断った。



そして、歩き出した由愛に声をかけようとした瞬間、突然倒れた。



「由愛!!由愛!!」



呼んでも返事がない。



額を触ってみると



「すげぇ熱じゃねーか…」



すごく熱かった。



俺は本当にバカだ…



倒れてから気づくなんて…



俺は由愛を抱きかかえて車に乗せて、職員室に戻った。



「そんなに急いでどうしたの?」



「ちょっとな…先帰るわ。」



「ふ〜ん…話聞かせてね〜」



全部わかってんじゃねーか…



楽しそうな慎を無視して俺は車に向かった。



アパートに着き、由愛を寝かせて額の上に冷やしたタオルを乗せた。



これで熱少しは下がるかな…



由愛の頭をなでながら起きるのを待っていると突然、目を開けて俺の名前を呼んだ。



どうしてここにいるのかわかってない由愛に全部説明した。



そしたら、迷惑かけてすみませんと謝ってきた由愛。



別に迷惑だなんて言ってないのに。



とりあえず、熱をはからせた。



タオルで冷やしたはずなのに熱は下がるどころか上がっていた。

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