あのね、先生。

あの子のことはコンビニで一目見たときから顔も名札に書いてあった名前もちゃんと覚えることができたのに。


…茉央ちゃんが卒業して、2度目の入学式をこの前終えた。

あれからもう1年以上過ぎた。

それなのに、美術室のドアが開くと無意識に彼女の姿を探してしまう。

後ろ姿が似た子を見つけると、声をかけてしまいそうになる。

…いるわけないのに。


何でかな。誰を見ても茉央ちゃん以上に可愛いとは思えないし、茉央ちゃん以上に愛おしいとも思えないんだ。

みんなが優しくて綺麗だって言う吉野先生も、茉央ちゃんと比べるとどうしても好きになれない。

最初は比べるなんて失礼だって思っていたけど、もうほとんど無意識にそうしてしまう。

何度も気持ちを伝えてくれる吉野先生を茉央ちゃんと比べては、違いを見つけてますます落ち込む。

そんなことを考えて、改めて俺最低だなって思ったりもする。

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