あのね、先生。

「あたしほんとに嫌な女だね」

解決策なんて一つしかない。

あたしと先生が会わなきゃいいだけ。

何もなかったみたいに、今まで通り過ごせば元通りだもんね。

「優真と付き合ってるのに、先生のことも好きなの。最低だよ」

だけど出来ないの。

声を聞くと、顔を思い出すと、会いたくて仕方なくなる。


「俺は嬉しいけどね」

「え…?」

「どういう状況でも、茉央ちゃんが俺のこと好きだって言ってくれんなら、もうそれでいいよ」

先生が優しく笑ってあたしの頭をポンと撫でるから、何だか涙が出そうになって俯いた。

優真のこともね、ちゃんと好きなの。

だけど、ふとした時に考えてるのはいつも先生のことなんだよ。

「それに、俺は茉央ちゃんのとこ最低だなんて思わないから」
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