あのね、先生。
「…違うよ、先生…ほんとに嫌な女なの」
先生はいつでもあたしは悪くないって言ってくれるよね。だけど、そう言われても消えないよ。
だって、ほんとにどんどん性格が悪くなってる気がするの。そんな自分が、一番嫌なの。
「…先生はあたしのじゃないのに、吉野先生に告白されたんだって思っただけで、嫌になった」
あたしは自信を持って先生だけが好きだって言えない立場なのに、そんな独占欲は許されないでしょ?
「んふふ、何だ、そんなこと?そんな可愛い嫉妬なら大歓迎だけどね」
「っ…違う、だって先生は…」
「俺は茉央ちゃんのものだよ。ずっと前から、変わんない。」
先生はそう言うと、あたしの手を優しく掴んで歩き出した。
「それに、そう考えたら俺の方が最低だよ。他の男の彼女に手出して、勝手に独占欲なんて出してんだから」