あのね、先生。
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待ち合わせ場所に着くと、そこに優真の姿はまだなくて。ガラリとしてた。
前にここに来た時は、話はしたけれど何も解決なんてしなくて。
ただ、伝えたいことは何も伝えられないまま、優真はあたしから目を逸らして去って行ってしまった。
あたしが誰を想っていようと関係ない。
そう言った優真は、すごく辛そうな顔をしてた。関係ないわけない。
自分が想ってる人が、自分以外の人を見てても構わないなんて、我慢出来るのは最初だけ。
ほんとは自分だけを見てほしい。
そう思うのは当然のことで、だから無意識に出てしまう。
…頼むから、離れないで。
口には出さない優真の思いは、表情で、声で、あたしに伝わってきた。
だからこそ、あの時無理に引き止めたり出来なかった。