あのね、先生。

優真からあたしの名前を呼ばれるたびに、何だか恥ずかしいようなくすぐったい気持ちになった。


「だって忙しかったでしょ?スポーツ大会とかあって。」

「ま、俺もカレンダー見て気づいたくらいだし。1年覚えてんならいいや」

そう言って頭をポンと撫でる。


いつもは外で待ち合わせるけど、たまにあたしが遅いとこうして教室まで迎えに来てくれる。

だから新しく出来た友達もみんな、優真のことを知ってる。

自分から説明する手間が省けたからよかったけど、羨ましいと言われることは多々あって。

我が彼氏ながらビックリする。

やっぱりどこに行ってもモテるタイプなんだなーって。


「どこ行くの?」

「この前茉央が借りてきたDVDまだ見終わってねぇじゃん。」

「あ、見たい!」

「そう言うと思ったから、俺の家行こうと思ってたんだけど。」

< 3 / 328 >

この作品をシェア

pagetop