あのね、先生。
「シロと梨花は?」
あたしがそう言うと、優真は呆れたようにため息をつく。
「記念日くらい2人でいたいんだけど」
「あ、そう…だよね」
シロと梨花を含めた4人でいることが当たり前になってたから、時々こんな風に呆れられてしまう。
「まぁいいや。行こ」
「うん」
優真は大学に入ってから一人暮らしを始めた。この大学の近くで。
元々高校もそんなに近くなかったみたいで、大学も遠いからって理由でそうしたらしい。
もう行き慣れたけど、最初は何か理由をつけて行くのを断ってた。
「何借りたんだっけ?」
「あー、恋愛ものじゃなかったっけ?あとホラーもあったかも。」
「ホラー借りたのは優真でしょ?」
「そうだっけ?」