あのね、先生。

「あっついねー」

「雨じゃないだけマシだろ」

「そうだよね、昨日まであんなに雨降ってたのに、この快晴は奇跡だよ」

昨日まで降り続いた雨は今日ピタリとやんで、空は真っ青に晴れていた。

明日は休日だから学校はない。だから、優真とどこか行こっか、なんて約束をしていた。

これだけ晴れればどこへだって行ける。


「明日、どこ行く?」

「晴れたからねー、外がいいな」

去年の誕生日は雨で、あのときはまだ優真の家にも行ったことがなかったから仕方なく外に出た。

楽しみにはしてたし、傘があれば行けるかな、なんて思って出かけて後悔した。

風も雨も強くて、待ち合わせ場所に着いたあたしも、早めに着いて待っててくれた優真もびしょ濡れだった。

風邪引くから、なんて言ってそのまま家に送ってくれた優真は、来年はちゃんと祝うからと言ってくれた。

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