あのね、先生。
宣言通り、今年はずっと一緒。
「考えとく」
「んふふ、楽しみにしてる」
誕生日だけじゃなくて、記念日だって優真はちゃんと覚えてる。
特別に祝うってことはしないけど、絶対に忘れたことがなかった。
「そういえばさ、明日白城と高橋高校の文化祭行くんだって」
「文化祭って…こんな時期だっけ…」
「いや、俺は知らねぇんだけど。再来週、うちの大学も学祭あるから、中村先生にもう一回言いに行くって」
高校の文化祭はもっと早かった。
だって、高3の文化祭…先生に告白して振られたあとにあたしの誕生日が来たんだもん。
それだけは覚えてる。
「…茉央?」
「え…あ、何…?」
「…気になるなら行く?」
「…え?」
まさか優真の口からそんな言葉が出てくるなんて思わなくて、多分誰が見ても分かるくらい動揺した。
あたしのこういう態度が優真を不安にさせてるのかもしれない。