あのね、先生。

そりゃ、ビックリするよね。

いきなり走り出したかと思えば、久しぶりに会ったのに家に連れて来られるし。

…でも…

「ごめんね、その格好で出歩かせるの、すげー嫌なんだ」

そう言うと今自分の置かれてる状況を理解したみたいで、両手で自分の体をギュッと抱えた。


「でも…」

「大丈夫、何もしないから」

「えっ、いや、そうじゃなくて…」

ほんとにずぶ濡れの格好で外にいさせるのがイヤだった。

それはほんとだったけど、正直この格好の茉央ちゃんを自分の家に招き入れていいのかとも思った。

「…いいの?入っても…」

「何で?全然いいよ」

正直触れたいとは思う。

そんなの、ずっと思ってたんだから。
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