だから、好きだって言ってんだよ
「あー、もう!!」
ありえない。
認めない。
陽平にドキドキしてるだなんて。
これじゃあまるで、陽平のことを意識してるみたいじゃん。
ありえないよ。
あたしは怒ってるんだからねっ!
ーーバンッ
勢い良くドアを開けたあたしは、考えがまとまらないまま女子トイレを出た。
だけどそこには。
「なんで逃げるんだよ?」
ムッとした顔で立ち尽くす陽平がいた。
無造作に跳ねた明るい茶色の髪を、わしゃわしゃ掻き回している。
「ト、トイレの前で待ち伏せなんてしないでよっ!じゃ、じゃあ、チャイム鳴るからっ」
気まずくて、顔を伏せながら前を通り過ぎた。
「逃げるなよ」
「うるさい。話しかけて来ないで」
冷たく言い放ち、教室に向かって歩く。
あんなことがあったから、普通になんてしていられない。
待ち伏せまでされていたことに、戸惑いを隠せなかった。