だから、好きだって言ってんだよ


「昨日は……マジで悪かったよ。ごめん」



「…………」



「何でもするから許して」



あたしがシカトしているにも関わらず、陽平は追いかけてくる。


後ろから一方的に謝って来るけど、まだまだ許せない。


そんな簡単に許せることじゃない。



「いい加減機嫌直せって?な?」



「なんで……あんなことしたの?」



「……それは。つい」



「つい!?」



その言葉に思いっきり振り返る。


目が合うと、陽平は視線を左右に泳がせた。


陽平は『つい』誰にでもキス出来ちゃうってこと?



「あ……いや。ついじゃなくて。俺、実は……愛梨のことがす……っ」



「ゆ、許さないよ!」



「……っ」



お願いだから、これ以上惑わせないで。



今はまだ普通になんて出来ないから。



駆け足で教室に戻ったあたしは、周りをシャットアウトするように机に突っ伏して目を閉じた。


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