私に恋をしてください!
★身体の相性の一致~side SORA~
剛さんの車を降り、ディナーバイキングの間に葉月はお母さんにメールを送った。

返信は"頑張ってね"という主旨のものだった。

『頑張るって、何を頑張るんだろう』
「そんな事、23歳の女性が分からないわけないだろ?鈍感になるなよ」

葉月は真っ赤になって俯いた。

「そんな顔になるのは、まだ早いんじゃない?部屋にも行っていないのに」
『う、うん・・・』

基本的には、今日は総じて元気のない葉月。
やっぱり、神戸のことを割り切れないのだろうか。

心を繋げるには、やはり話し合うことが必要だ。

「葉月、部屋に行こう」

俺は葉月を連れて部屋に入った。

入ってみて驚いた。
ハワイのリゾートホテルにでも来たイメージ。
しかも広い。

インドのサリーの生地のようなカーテンや壁。
全体的に暖色系。

でも俺は、どこでも良かった。
葉月ととにかくふたりきりになりたくて。

ソファーに並んで座ると、俺は葉月を抱きしめた。

「ごめん、葉月」
『いいよ。私の心が狭かったのが原因なんだし』
「そんな事ない。自分を責めないでくれよ」

自分を責めると、きっと俺に心を閉ざしてしまうと咄嗟に思った。
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